fc2ブログ

09月 « 2015年10月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  » 11月

夜明けの前に

2015年 10月30日 23:52 (金)

誰もいない坂道で
あなたの影を待った
白と橙色の街灯を睨む私と
相合傘で知らない街に行こう
片方の肩を濡らして指を絡ませよう
雨と楽園と私を赤い紐で縛って
世界は回っていく
あなたを残していつまでも
スポンサーサイト



初恋

2015年 10月28日 22:28 (水)

返事の来ない手紙をひたすら待ち
悴んだ手を擦りながら赤
ポストの前行ったり来たり

夏と白昼夢

2015年 10月28日 18:37 (水)


ガタンゴトン
日向のにおいと潮の香り
揺れる体に白い蝶
夏の匂いと鈍行の旅
青い波と白い泡
砂浜駆ける少年の光る肌
夏が来た
ブライト・シーのペディキュア踏んで
一年ぶりねと微笑んだ

K

2015年 10月28日 18:26 (水)

言葉は呪文のように心を縛り上げて
その声は影のように思い出を落とした
手を伸ばすときは振り払うのに
引こうとすると君は僕の手を握る
君は美しいのに
君は勇敢なのに
君は 君は
譫言を
言葉だけの愛を確かめるために
手を伸ばす
また振り払って
また引き上げて

July

2015年 10月27日 17:02 (火)

炎天下
アスファルトの干上がる匂い
緑、木の加護をうけなびく前髪
座り込む土の冷たさ
眠る、七月の午後
国語の詩の清らかさで満たして
さようなら世界、また二時間後

二人だけの秘密だと笑った

2015年 10月27日 16:52 (火)

伸びた手をつかんで
放り投げてそのまま君の心まで
暴れる本能を君にぶつけたい十九の夏
出来たのは触れるような口づけだけで
ねだる君に僕の中の獣は静かになった
君の心を突き放す新宿のネオンも
僕の背中から遠ざかる泣きそうな顔も
全部君のせいなのだと
僕から仕掛けた罠を君に押し付けて
何も知らないふりをする二十歳の秋

ナルシズムと美しい君へ

2015年 10月26日 20:39 (月)

君は僕を好きにならない
君は僕を愛さない
君は野薔薇に微笑まない
君は白が似合わない
君は瞳を輝かせない
君は運命に従わない
君は音楽を聴こうとしない
君はとても美しい

trip sky trip

2015年 10月26日 20:29 (月)


汚れた部屋と柑橘の香り
震える手に渡す夢を注ぐもの
肌を貫通する幻覚と快楽
悲鳴、依存、純粋な
仰ぐ空はただただ青く白く
横切る黒の影に
宇宙の切れ間が見えた

無題

2015年 10月25日 22:10 (日)


言葉なんかで表せるならとっくに詩にして君に気持ちを伝えてる
どんなところが好きでどんなところが魅力的なのか
春の花や夏の海秋の匂い冬の星に替えて
今まで見てきた美しいものと比較して
どれだけ愛してるか君に伝えてる

夜、幻想の海で

2015年 10月25日 21:30 (日)

淡い月の下を歩く
白い息を吐きながら
ガソリンのにおいを吸い込む
キラキラ光るネオンの道を
私は歩く
幻想の潮風をかんじる
まとわりつく冬の風
髪の毛をかき上げて
波のような車の音と
嘘つきな体温を感じて
私は歩く

仮想する思い

2015年 10月22日 21:06 (木)

電脳の海で
青い鳥を白いハトに
愛の手紙を渡せぬまま
薄くなるつながりと
濃くなる後悔が
反比例して
そのまま積もる他人の愛に
埋もれていくあの頃の記憶を
そっと現実で眺めていた

銀河散歩

2015年 10月21日 21:06 (水)

空落つるスピカ
キラキラ
飴玉みたいにコロコロと
揺れ動いて真っ逆さま
月も半分が笑ってる
痛い足を振り上げて
銀河でマーチを
ネオンを切り裂いて
地上とサヨナラ
グッバイアース

ただそう思っただけ

2015年 10月20日 23:29 (火)

うどん
つるつるしこしこ
冷たい水に素肌をさらして
卵と葱という魔法で
ドレスを着せて
ああもう我慢できない
黒いリボンでアクセント
ああ素敵な大豆ソース
いただきます

wanna

2015年 10月20日 23:13 (火)

明かりを消して
淡いオレンジを
そっと窓の外から灯してくれ
僕の心の灰色を
美しい色で染めてくれ
光る星を落として
君の瞳の色彩で
プラネタリウムを作ってくれ

昼と猫と

2015年 10月20日 00:31 (火)

メトロノーム
合わせて踊る猫の
尻尾の揺らめき
逃げる後ろ足と
少女の高い声を
昼間の太陽のまぶしさに
目を眩ませて
あの日のことを覚えてる

恋煩い

2015年 10月19日 23:17 (月)

誰もいない部屋で
薬じみたジムビーム
中に浮かぶ塵の宇宙と
好きな曲を聴いて
貴方の隣で眠りたい

とある冬の情景と

2015年 10月19日 22:06 (月)

生乾きの洗濯物
蜜柑を頬張った唇の
ぬるりと動くその弧を
どうか僕のものにできないかと
触れてみるけれど
僕のと同じ感触が返るだけで
何も特別などないはずなのに
ザワザワと水が満たされて
僕の心臓が海のように
さざ波を鼓動へ返す
嚥下した喉を見せつけながら
君は